研究課題
基盤研究(C)
チミジンホスホリラーゼ(TP)は、核酸代謝酵素の1つで、その活性は正常組織に比べて癌組織中で亢進し、また血小板由来血管内皮増殖因子と同一蛋白である事が報告されている。本研究では脈絡膜新生血管(CNV)内の、TPの発現について検討した。対象は、加齢黄斑変性(AMD)3眼、網膜色素線条(AS)3眼、特発性脈絡膜新生血管(ICNV)3眼、強度近視(mCNV)2眼の計11例11眼を対象とし、年齢は16歳から79歳までで平均54.9歳であった。黄斑下手術時に脈絡膜新生血管膜を摘出し、抗TP抗体、抗CD68抗体、抗CD34抗体、抗CD3抗体、抗CD20抗体での免疫組織化学染色とヘマトキシリンエオジン染色を行い、光学顕微鏡にて観察し、抗TP抗体染色細胞の同定と染色強度の評価を行った。染色強度はポジティブコントロールとして用いた大腸がんを3とし、0から3まで分類し評価した(染色なしは0)。結果は、11例全例にて抗TP抗体による染色が確認された。染色強度スコアーの全例での平均は、(マクロファージ:1.91、血管内皮細胞:1.73、網膜色素上皮細胞:1.36)であった。疾患別にみると、AMD(2.33、1.33、2.0)、ICNV(2.33、2.0、2.0)、AS(1.0、2.0、0.66)、mCNV(2.0、1.0、0.50)であった。まとめると、TPは全ての検体にて存在が確認され、マクロファージと血管内皮細胞から強く発現していた。またAMD及びICNVにおけるCNV形成に強く関与している可能性が示された。動物モデルを用いたTP阻害薬によるCNV抑制効果の検討は、今後引き続き検討予定である。
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