研究課題/領域番号 |
17591864
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
東 真弓 九州大学, 大学病院, 医員 (10380453)
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研究分担者 |
田尻 達郎 九州大学, 医学研究院, 助教授 (80304806)
田口 智章 九州大学, 医学研究院, 教授 (20197247)
水田 祥代 九州大学, 大学病院, 教授 (30038856)
木下 義晶 九州大学, 大学病院, 助手 (80345529)
高橋 由紀子 九州大学, 大学病院, 助手 (80380442)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 神経芽腫 / 予後因子 / マイクロアレイ / neuronatin |
研究概要 |
神経芽腫の臨床検体を用い、favorable群として、1歳未満、マス陽性、stage1、MYCN増幅なし、aneuploid、嶋田favorable histologyの3検体、unfavorable群として、1歳以上、マス陰性、stage4、MYCN増幅あり、diploid、嶋田unfavorable histologyのもの3検体からのRNAをそれぞれ、poolし、2群間の比較としてマイクロアレイにて解析をおこなった。マイクロアレイの結果より、favorableに発現が優位の遺伝子の中から、神経芽腫に特異的と思われるものを選択し、約60の臨床検体について、real-time PCRにて発現の解析をおこなった。 マイクロアレイの結果より、unfavorable群に発現が優位な遺伝子は約400、favorable群に優位なものは約40あり、favorable群の中から、unfavorableの約3倍の発現が認められた胎生期の神経細組織に特異的に発現しているneuronatinという遺伝子に着目した。他の予後因子および臨床像とneuronatinの発現との関連について解析すると、予後不良因子を有する群ではいずれも低発現の傾向であり、嶋田分類favorable/unfavorable、MYCN増幅/非増幅、生存例/死亡例での発現の比較にて有意差が認められた。neuronatinとtrkAの発現の相関は認められなかった。 また、neuronatin低発現であるMYCN増幅の神経芽腫細胞株に脱メチル化剤を作用させたところ、neuronatinの発現の増加が認められた。これより、neuronatinは予後不良の神経芽腫においてメチル化により発現が抑制されていると考えられた。また、同じ細胞株neuronatinを強制発現させると、細胞の分化傾向が認められた。 neuronatinは、その機能はまだ不明の点が多いが、神経系の発生に関与することが推測されている遺伝子である。研究結果より、neuronatinの神経芽腫の分化への関与が示唆された。
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