研究概要 |
1)抗癌剤封入生分解性ナノスフィアの調製 まず、濃度測定が原子吸光法で容易に行える、シスプラチンを抗がん剤として用いることにした。シスプラチンと乳酸-グリコール酸共重合体アセトン24mL、エタノール12mLを混合して均一溶液とし、3%ポリビニルアルコール400mLを加えて微小球を晶析する。ホモミキサーにて、撹拌速度;400rpm、滴下速度;4mL/minの条件で乳化する。この乳化液に窒素ガスを通して溶媒を留去し、ろ過した後、凍結乾燥し、シスプラチン封入ナノスフィアを調整した。 2)ナノスフィアの平均粒子径測定 調製後、シスプラチン封入生分解性ナノスフィアの平均粒子径をShimazu Laser Diffraction Particle Size Analyzer, SALD-2001(Kyoto, Japan)により測定した。平均粒子径は250-300nmのサイズになった。 3)シスプラチン含量の測定 ナノスフィアをアセトンにて溶解後、原子吸光法にて含有量を測定した。 4)ナノスフィアの抗癌剤封入不良のin vitro, in vivo実験 in vitroでは、抗癌剤封入生分解性ナノスフィアを生理食塩水に1時間分散させた後、5000rpmで上清のシスプラチン濃度を原子吸光法で測定した。 5)剤型評価 上記の実験結果を踏まえて、次年度の薬理動態実験に使用する剤型を選択した。
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