研究課題/領域番号 |
17591878
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
水野 博司 日本医科大学, 医学部, 講師 (80343606)
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研究分担者 |
小川 令 日本医科大学, 医学部, 助手 (70398866)
小池 幸子 日本医科大学, 医学部, 助手 (90386227)
百束 比古 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00165135)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 脂肪 / 歯周組織 / 歯周病 / 再生医学 / 組織工学 |
研究概要 |
Wistar系ラットの鼠径部脂肪塊より我々がこれまでに報告してきた脂肪組織由来幹細胞を含むASC精製プロトコールに従ってASCを獲得した。この初代継体ASCを10%FBS添加DME培地内で培養、継代を繰り返した。第3継代ASCをトリプシン処理後、細胞浮遊液を作成し移植に供した。ASCsの細胞数を1×10^7個/mlに調整したものを、同種異系Wistar系ラットから得られた多血小板血漿(Platelet Rich Plasma、以下PRPと略す。)1mlと混合後、CaCl0.16mlを滴下しgel化させ、同種異系Wistar系ラット上顎口蓋側臼歯部に作製した歯周組織欠損部にASCs-PRPgelを移植した。2、4、8週後にHE染色による組織学的評価を行った。歯周組織欠損部を作製したもののみを対照群とした。 その結果、移植後2週目より、実験群では新生骨とその周囲にASCsと考えられる細胞集団が確認された。8週目では対照群は欠損部に若干の新生骨が認められるも歯根膜様組織の形成は確認されなかったが、実験群では新生骨とそれに続く歯根膜様組織の形成が認められた。また移植前にあらかじめDiIで標識したASCsを移植することで再生組織の細胞起源を検証したところ、再生歯槽骨の一部は移植されたASCsから出来上がっていたことが分かった。 以上よりASCsには歯周組織再生能があることが示唆された。今後は更にセメント質並びに歯根膜の再生を蛋白レベルで確認すべく、抗オステオカルシン抗体及び抗III型コラーゲン抗体を用いた免疫染色を行う予定であると同時に、ビーグル犬を用いた同様の実験により再現性を確認する。
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