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2006 年度 実績報告書

再生医療技術を用いた皮膚再建に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591879
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

熊谷 憲夫  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30103477)

研究分担者 井上 肇  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (60193603)
冨岡 みゆき  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究補助員 (90398967)
キーワード培養表皮 / 表皮幹細胞 / 細胞治療 / 皮膚再生
研究概要

本年度の研究において、フィブリンゲル中にあらかじめ培養されていた線維芽細胞を播種後、この細胞が増殖し立体的な線維芽細胞マトリクスを作成するか否かについて検討した。その結果、一立方センチに106細胞の割り合いで線維芽細胞を培養すると組織化学的所見を見る限り極めて早期(2-4日)に立体的な増殖が認められ、10日-14日後にかなりの高密度でフィブリンゲル内に細胞が増殖している事が確認された。しかもこの再生真皮上に表皮細胞の培養も可能であり、再生皮膚構築の可能性が示された。しかしながら、現状では、表皮細胞ならびに線維芽細胞の産生するMMPによりフィブリンネットワークの酵素消化が起こり、長期間の培養によって構造破壊が起こった。この対策のためには、蛋白分解酵素阻害薬を添加する方法が考えられたが、今回我々はフィブリンゲル内にある種の蛋白質を混入させて物理強度を増すと共に、蛋白質分解酵素抵抗性を持たせ維持管理期間の延長を可能とした。
一方、このハイブイリット型の再生皮膚は移植床からの血行が得られなければ生者を望めない。従って、生着効率をあげるためには移植床の血行再開通(血管新生)が必須である。血管新生に関わる増殖因子としてはVEGFが有名であるが、表皮細胞や線維芽細胞からのVEGF産生が、再生医療デバイスとして完成した時にも維持されている事は大変重要である。そこで、今年度において既に報告している表皮細胞、線維芽細胞からのVEGF産生とその制御機構が再生皮膚の状況で如何に変化しあるいは維持されているか、それに伴う血管新生が如何に制御されているかについて検討を加えた。その結果移植に用いた表皮幹細胞からの血管新生因子産生に、従来阻血再灌流傷害に密接に関わると考えられてきたエンドセリンが、オートクライン、パラクライン的に大きな役割を演じている事が判明した。したがって、表皮幹細胞利用等による創傷部の細胞治療効果とそのメカニズムとして、単一のサイトカインだけではなく、ネットワークの必要性が強く示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 多血小板血漿を用いた新規ヒト細胞培養法の確立 -自家・他家血小板血漿利用による培養表皮作成とその可能性-2006

    • 著者名/発表者名
      中野 江里子 他
    • 雑誌名

      聖マリアンナ医科大学雑誌 34・4

      ページ: 277-284

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] エンドセリン-1拮抗薬FR139317が皮弁内6keto-PGF_<1α>/TX-B_2動態に及ぼす影響2006

    • 著者名/発表者名
      門司 明夫 他
    • 雑誌名

      聖マリアンナ医科大学雑誌 34・4

      ページ: 241-248

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 培養表皮細胞からのVEGF産生に及ぼすエンドセリンの影響2006

    • 著者名/発表者名
      安藤(鹿井)史子 他
    • 雑誌名

      聖マリアンナ医科大学雑誌 34・4

      ページ: 437-445

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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