研究課題/領域番号 |
17591883
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
佐藤 博子 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚平衡覚研究部, 研究員 (60374162)
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研究分担者 |
中島 龍夫 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (40095633)
貴志 和生 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (40224919)
梅澤 明弘 国立成育医療センター研究所, 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 移植 / 皮膚切開創 / 瘢痕 / 臨床応用 / GFP |
研究概要 |
(1)間葉系幹細胞移植によるラット皮膚創傷の研究 私たちは、MSC(間葉系幹細胞)の創内での動態や役割を知るべくGFPラット由来のMSCを皮膚全層切開層に移植し、細胞の変化を調べた。 創に移植したGFPラットのMSCは創の肉芽底面と周囲の真皮直下に分布していた。GFP陽性細胞は創作成後48時間以降に大部分がビメンチン陽性となった。αSMAは陰性のままであった。また、CD31は24時間の時点から一部が、48時間以降は大部分が陽性となった。 創に移植したGFPラットのMSCは創の肉芽底面と周囲の真皮直下に分布しており、創傷治癒に影響を与えていると考えられた。MSCは創に移植されると大部分がビメンチン陽性となり、線維芽細胞様の細胞に分化していると思われた。また、αSMAが陰性つまり筋線維芽細胞に分化しないことから、癒痕拘縮抑制に有利に働いていると考えられた。CD31においては、陽性細胞が出現してきていることから周囲の血管形成に影響を与えている可能性が示唆された。 (2)ヒト間葉系幹細胞移植後の創の肉眼的評価と移植細胞の培養および保存 ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を培養して自家移植を行うことに対して、当施設および共同研究施設(国立生育医療センター研究所)の倫理委員会の承認を得た。現在、臨床応用が可能な状態となっている。 具体的には自己血清を用いて骨髄由来間葉系幹細胞を培養し、手術時創を縫合する際に自己細胞移植を行い、創の評価を3,6ヶ月後に行う。そして、瘢痕化抑制効果の強弱により移植細胞を特徴付けられるよう細胞の保存を行う。
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