研究課題/領域番号 |
17591885
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
稲葉 英夫 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60159952)
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研究分担者 |
谷口 巧 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (30301196)
後藤 由和 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (60282167)
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キーワード | PEEP / 敗血症 / 腎虚血 / 熱ショック蛋白 / HSP72 / ヘムオキシダーゼ-1 / DJ-1 / PARK7 |
研究概要 |
本研究は、短時間のPEEP負荷の(1)腎虚血再灌流障害の制御に対する効果、(2)腎組織熱ショック蛋白の誘導条件、(3)流血中熱ショック蛋白に対する影響を検討し、(4)短時間のPEEP負荷が敗血症ショックモデルのサイトカイン産生や血行動態の制御効果を検討するととともに、効果をサイトカイン除去療法と比較し、(5)臨床症例における血中熱ショック蛋白濃度と疾患、高PEEP負荷の関係を明らかにすることを目的とした。[結果](1)PEEP前処置は腎虚血再灌流障害を有意に抑制した。この効果はPEEPによる循環変動(低血圧)のみでは説明できない。(2)PEEPの負荷は圧・時間依存性に腎組織HSP72陽性細胞数を増加させたが、血中HSP72を検出範囲に増加さなかった。(3)PEEPによるHO-1の誘導効果は明らかでない。(4)除去カラムによるサイトカイン除去療法は敗血症ショックモデルに対し容量依存性効果を示した。しかし、腎虚血に対し有効であったPEEP前処置は、敗血症ショックモデルに対し有意の影響を与えなかった。(5)HSP72濃度は高いPEEP負荷とは有意に関係せず、原疾患により影響された。(6)血中ストレス蛋白濃度は蘇生された心停止例の予後を反映する可能性がある。[結論]短時間のPEEP負荷は腎虚血に対し防御効果を発揮するが、敗血症に対しては有意な影響を与えなかった。
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