研究概要 |
出血性ショックモデルとして、8〜12週齢のBALB/cマウスを用いで全身麻酔下に左大腿動脈よりPE10のカテーテルを挿入し、ヘパリン100U/Kgを投与後脱血して血圧を40±5mmHgに90分保つ。蘇生方法として、高張食塩液(HS:7.5%NaGl)を4ml/kgと脱血血液で蘇生した場合;HS+SBと2LR+SB(2倍量の脱血血液量のラクテックリンゲル液と脱血血液)とSham群とコントロール群での、胸腺と脾臓でのアポトーシス発現を2h,6h,24h,48hで観察した。アポトーシス関連蛋白での関係は蘇生後1h,2h,6h,24h,48hで観察した。アポトーシス発現をTUNEL法で検索すると、アポトーシスの発現は胸腺、脾臓ともに2LR+SB群の2hの時点で最も強く出現していた。同時期のHS+SB2h群は2LR+SB2h群よりも有意に抑制されでいた(P<0.05)。アポトーシス関連蛋白を検索のためにHSP70で免疫沈降すると、Apaf-1,p53が胸腺ではHS2hが2LR2hよりも増強し、脾臓では2LR2hがHS2hよりもp53,Apaf-1ともに増強していた。一方、JNKは脾臓、胸腺ともにHSP70免疫沈降後では変化を認めなかった。胸腺と脾臓ではアポトーシス関連蛋白の反応が違うと考えられ、これらが出血性ショック後の免疫抑制に関与しでいる可能性が示唆された。
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