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2006 年度 実績報告書

NF-κBデコイ型核酸医薬を用いたショックの治療と予防

研究課題

研究課題/領域番号 17591896
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

高田 勝美  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20075609)

研究分担者 小森 万希子  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60178332)
冨澤 康子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
尾崎 眞  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30160849)
キーワード出血性ショック / 輸液蘇生 / 微小循環 / 敗血症性ショック / Urinary Trypsin Inhibitor / デコイ型核酸医薬 / フリーラジカルスカベンジャー
研究概要

各種ショック時にはライソゾーム膜が破壊され、種々の蛋白分解酵素が血中に放出され、循環系の異常だけでなく、組織の微小循環障害ならびに各種代謝異常を伴う全身反応が起こる。微小循環とは細動脈、毛細血管、細静脈を含めた血管床であり、血管系の90%以上を占め体内の物質交換と新陳代謝を営む重要な場である。ショック時の微小循環を維持することによって死亡率を低下することができる。まず、家兎の出血性ショックモデルを作成し、微小循環動態を観察し、輸液蘇生での変化を検討した。対象は耳介に透明窓を装着した家兎を用いた。透明窓を生体顕微鏡下に固定し、血管径20-100μmの細動脈を選び顕微鏡用ビデオカメラで記録、観察した。脱血量は循環血液量の40-50%を目標とした。晶質液としてLactate Ringer (LS)を膠質液としてHydroxyethyl tarch (HES)を投与した。HESはLRに比し有意に、血圧回復効果は速く血圧保持作用が強く、中心静脈圧は速く回復し、尿量は多く、血漿膠質浸透圧は保たれ、細動脈の血管径、血流速度、血流量は保たれた、という知見が得られた。次に家兎にLPSを投与し、敗血症性ショックモデルを作成し、微小循環動態を観察した。敗血症性ショックにおいて炎症性サイトカイン発現の鍵となる転写因子NF-κBはSIRSの中心的な役割を果たしている。NF-κBを阻害するUrinary Trypsin Inhibitor (UTI)を投与し、その有効性を検討したところ、微小循環は良好に保たれ、生存率も上昇した。現在NF-κBの機能を特異的に阻害できるデコイ型核酸医薬およびフリーラジカルスカベンジャーであるエダラボンを用いて、敗血症の微小循環障害に有効であるか検討している。ショックの治療の開発のためにこの研究をさらに進めたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 軽量で開閉可能な家兎耳介観察窓の開発2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤章, 冨澤康子, 小森万希子, 高田勝美
    • 雑誌名

      呼と循 55

      ページ: 359-362

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 膠質液と微小循環2006

    • 著者名/発表者名
      小森万希子
    • 雑誌名

      体液・代謝管理 22

      ページ: 45-52

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Permissive Hypercapnia Range for Improved Peripheral Microcirculation and Cardiac Output in Rabbits2006

    • 著者名/発表者名
      Makiko Komori, Katsumi Takada, Yasuko Tomizawa, et al.
    • 雑誌名

      Anesthesiology 105

      ページ: A1061

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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