研究課題/領域番号 |
17591901
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
柴田 俊一 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80187400)
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研究分担者 |
山下 靖雄 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (70014157)
須田 直人 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 講師 (90302885)
寺田 典生 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (30251531)
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キーワード | 下顎頭軟骨 / 二次軟骨 / 転写因子 / 発生 / cartducin / アルカリフォスファタイゼ |
研究概要 |
骨軟骨形成に関連する転写因子であるRunx2,0sterix,Sox9の発現を発生初期にさかのぼり、下顎骨および下顎頭軟骨の形成過程における発現を検索した。その結果Runx2は胎齢11.5日に下顎骨形成部位に発現が認められたがOsterixは胎齢12.0になって初めてこの部位に発現が認められた。従ってOsterixはRunx2の下流に位置する転写因子であることが下顎骨形成の場においても確認された。軟骨形成に関連の深いSox9は胎齢11.0日にメッケル軟骨に相当する間葉凝集に発現が認められ、その後形成されたメッケル軟骨に引き続き発現が認められた。従って、神経堤由来の外胚葉性間葉に由来するメッケル軟骨においてもSox9がその形成に関与していることが判明した。下顎骨形成部位においては胎齢13.0日までSox9の発現は認められなかったが、胎齢13.5日になって、形成されている下顎骨の遠心にSox9を発現している部位が認められるようになり、胎齢15日にはこの部位に下顎頭軟骨の形成が認められた。この結果から下顎頭軟骨の原基は下顎骨と共通の原基から出現し、その遠心部位に発現するSox9が下顎頭軟骨形成の引き金になることが判明した。この結果は現在論文にまとめ、投稿中である。また、新規軟骨特異的成長因子であるcartducinの発現をin situ hybridizationで検索したところ、軟骨形成直後の増殖帯に強く発現することが確認され、下顎頭軟骨のような二次軟骨においてもこの分子がその形成、分化に関与していることが判明した。現在リアルタイムPCR法によって、この分子の発現のin vivoにおける経時変化、器官培養法によるin vitroでの発現変化について検索中である。さらにやはり軟骨形成に関連があるとされる、IGFおよびIGF binding proteinの発現も検索したところ、これらの分子は下顎頭軟骨のみならず、関節円板形成部位においても独特な発現が認められ、顎関節形成全体への関与が示唆された。現在これらの分子の発現の詳細を検索中である。
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