研究課題/領域番号 |
17591920
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
矢嶋 俊彦 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (10018749)
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研究分担者 |
入江 一元 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (70223352)
敦賀 英知 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (30295901)
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キーワード | 弾性系線維 / エラスチン / 微細線維 / フィブリリン / MAGP-1 / フィビユリン-5 / 歯周組織 / 線維芽細胞 |
研究概要 |
本研究は、ヒト同一歯に由来する歯根膜線維芽細胞と歯肉線維芽細胞の培養系を用いて、トロポエラスチン、微細線維、微細線維結合タンパクの遺伝子・タンパク発現、ならびにエラスチン沈着量の変化を経時的に分子生物学的、免疫細胞組織化学的に解析した。また、培養細胞伸展装置で培養し、弾性系線維形成における伸展刺激の影響を同様に解析した。これらより、以下の結果を得た。 1.微細線維結合性タンパク(MAGP-1)とフィブリリン-2(fibrillin-2)遺伝子に対するsiRNAは、それぞれ特異的にMAGP-1遺伝子とフィブリリン-2遺伝子発現を阻害した。しかし、フィブリリン-1遺伝子およびトロポエラスチン遺伝子発現に影響を及ぼさなかった。 MAGP-1遺伝子をsiRNAでノックダウンすると、トロポエラスチン沈着量が対照群の約30%以下に抑制された。また、フィブリリン-2遺伝子をsiRNAでノックダウンすると、トロポエラスチン沈着量が対照群の約70%以下に抑制された。光顕・電顕免疫細胞組織化学的観察においても、トロポエラスチン沈着量の同様な抑制が観察された。 2.培養細胞伸展装置を用いての歯根膜線維芽細胞培養系において、線維芽細胞は伸展刺激方向に配列した。しかし、形成初期の微細線維は伸展刺激方向に形成されるが、次第に伸展刺激と直交する線維形成が増加した。 3.これらの結果より、MAGP-1のエラスチン沈着機構での重要な働きが明らかにされた。また、伸展刺激の微細線維形成における興味ある結果が得られた。現在、さらに伸展装置培養におけるトロポエラスチン、微細線維、微細線維結合タンパクの遺伝子・タンパク発現、ならびにエラスチン沈着量の変化を経時的に分子生物学的、免疫細胞組織化学的に解析を進めている。
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