研究課題/領域番号 |
17591922
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 教授 (90164772)
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研究分担者 |
佐藤 卓也 明海大学, 歯学部, 講師 (00316689)
増原 正明 明海大学, 歯学部, 助手 (70372901)
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キーワード | 骨 / シェアストレス / 骨芽細胞 / 破骨細胞文化 / 骨吸収 / RANKL / プロスタグランジン / OPG |
研究概要 |
骨は力学的に負荷のかかる場所において形成が促進し、負荷のかからない場所では廃用性に吸収されることにより、外形および内部構造を変える(Wolffの法則)。本研究は、骨への力学的負荷によって生じるシェアストレスが破骨細胞の分化および骨吸収活性にどのように影響を及ぼすかを下記の項目にしたがって明らかにし、骨形成系細胞と骨吸収系細胞を含んだシェアストレスの骨吸収に対する作用を包括的に解明することを目的とし、本年度は下記の結果が得られた。 (1)シェアストレス負荷骨形成系細胞が産生する破骨細胞分化・機能調節因子の検索 骨形成系細胞を介したシェアストレスの骨吸収への作用を解明するために、当初、骨細胞株MLO-Y4細胞と骨芽細胞株MC3T3-E1細胞を用いる予定であったが、in vivoにより近い骨芽細胞を得るためにマウス頭蓋冠から逐次的なコラゲナーゼ消化によって骨芽細胞を分離し、2代目の培養系を用いて実験に供した。この骨芽細胞はin vitroにおいて、充分かつ早期の石灰化を呈することができた。これら細胞に閉鎖系で培養液を循環させ様々な強さのシェアストレスを負荷し、骨吸収因子であるプロスタグランジンの律速酵素のCOX-2とRANKLの遺伝子発現およびRANKLの作用を阻害するOPGの遺伝子発現をRT-PCR法から検討した。その結果、シェアストレス負荷骨芽細胞において、負荷開始から短時間で有意にCOX-2とRANKLの遺伝子発現が上昇した。また、OPGの遺伝子発現も僅かではあるが上昇した。次に、シェアストレス負荷群および対照群からコンディションドメディウム(CM)を回収し、破骨細胞の分化および骨吸収活性に対する影響を検討した。その結果、シェアストレス負荷CMは破骨細胞の分化および骨吸収活性を僅かでは有るが促進した。
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