研究概要 |
ヒトう蝕に重要なS.sobrinusでgbpC遺伝子ホモログが予想外にも2つ(gbpC1,db1A)存在することを昨年度報告したが、The Institute of Genomic Research (TIGR)において当時公開されていたS.sobrinusのゲノムデータベース検索で高いホモロジーを示す領域をもつ複数のContigが検出されることなどから、更に別のホモログの存在が推定され,両遺伝子の上下流をPCRベースのゲノムウォーキングしたところ、更に2つのgbpC遺伝子ホモログが検出され、それぞれをgbpC2,db1Bと名付けた。これら4つの大腸菌リコンビナントタンパク質はGbpC1以外は全てグルカン結合活性を有していた。また全く凝集を示さないOMZ176株はgbpC2,db1A,db1Bの全てでフレームシフト変異が検出された。又,他の研究室で以前にアルキル化剤による変異誘発を6715株について行いグルカン依存性凝集をおこさない株を分離しているが、この株において4つの遺伝子の塩基配列を解析したところ、db1B遺伝子にのみ変異が検出された。従って、S.sobrinus6715株ではdb1B遺伝子がグルカン依存性凝集関与していると結論づけた。しかし、S.sobrinusのいくつかの株では、Db1A,Db1Bタンパク質の発現量にかなりの差があることが分かり、グルカン依存性凝集関与するタンパク質は株によって異なるかもしれないと考えられた。
|