研究課題/領域番号 |
17591928
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
古西 清司 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (20178289)
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研究分担者 |
高橋 幸裕 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (00281436)
矢島 彩子 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (00287773)
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キーワード | 口腔レンサ球菌 / アドヘジン / Streptococcus gordonii / シアル酸 / 糖蛋白 / 感染性心内膜炎 |
研究概要 |
口腔レンサ球菌の一種であるStreptococcus gordoniiのシアル酸結合性アドヘジン(Hsa蛋白)は、糖の一種であるN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)に特異的に反応するコムギ胚レクチン(WGA)と反応するため、GlcNAcを含む糖により修飾されている糖蛋白であることが我々の以前の研究で明らかになっていた。この研究は、S.gordonii Hsa蛋白の糖修飾のメカニズムを分子遺伝学的、生化学的手法を用いて明らかにすることを最初の目的として計画された。平成17年度の研究では、(1)S.gordoniiのhsa遺伝子欠損株(Δhsa株)にその遺伝子を移入し、糖修飾の指標となるWGAとの反応性の有無を確認することで、Hsa蛋白の糖修飾部位の同定を行った。さらに、(2)Hsa蛋白の糖鎖分析の最初の段階として、N-グリカナーゼなど種々のエンドグリコシダーゼによって、蛋白との結合部位の酵素的切断を試み、糖結合様式がN-グリコシドかO-グリコシドかの同定を行った。また、(3)Hsa蛋白の病原性の検討をラットを用いた心カテーテル挿入法による感染性心内膜炎の動物実験系を用いて行った。その結果、(1)Hsa蛋白の糖修飾部位は、この蛋白の75%以上を占めるセリンリッチ領域であること、(2)糖結合様式はO-グリコシドであること、(3)Hsa蛋白は感染性心内膜炎の病原因子であること、などが明らかとなった。現在、Hsa蛋白の糖修飾に関与する遺伝子を解析中である。
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