研究課題/領域番号 |
17591939
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
廣野 力 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10199135)
|
研究分担者 |
柴 芳樹 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90110452)
杉田 誠 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50235884)
岩佐 佳子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70274090)
|
キーワード | Na^+-K^+-2Cl^-共輸送体 / Clチャネル / forskolin / Calu-3細胞 / 耳下腺細胞 / 唾液腺細胞 / パッチクランプ / グラミシジン |
研究概要 |
本年度はNa^+-K^+-2Cl^-共輸送体活性制御機構の研究を推し進めるため、解析に適した細胞系の作製と野生型Na^+-K^+-2Cl^-共輸送体Cl輸送制御の機能解析に関する以下の研究を行った。 1.野生型のNa^+-K^+-2Cl^-共輸送体とcAMP依存性のClチャネルであるCFTR Clチャネルを有することが報告されている培養細胞MDCKとCalu-3を培養増殖させ、購入した三次元油圧マイクロマニュピレーターと2chパワーラブシステムおよび現有設備のパッチクランプ増幅器を用いたグラミシジン穿孔パッチ陰イオン電流解析法によりNa^+-K^+-2Cl^-共輸送体活性をイオン電流として測定した。細胞内cAMPを上昇させるためforskolin+IBMXで刺激したところ、Calu-3細胞では内向きの陰イオン電流が記録され、Clチャネルの透過性増大とCl輸送体活性化によるCl電流の誘導が示唆された。 2.Na^+-K^+-2Cl^-共輸送体Cl輸送活性のCa^<2+>依存性およびcAMP依存性等機能解析の唾液腺腺房細胞における可能性を検討するため、CCh刺激時Cl電流に対するβ受容体刺激効果、および、ノルアドレナリンによるα受容体・β受容体同時刺激の効果を調べた。Ca^<2+>シグナル存在下でcAMP上昇により耳下腺腺房細胞のCl輸送活性が抑制されることが示唆された。 3.Ca^<2+>・cAMPシグナル系の影響を受けない人口的な陰イオン透過性のイオンチャネルを形成するペプチドを野生型Na^+-K^+-2Cl^-共輸送体Cl輸送を有する耳下腺腺房細胞膜に組み、イオン電流が誘発されることを示した。 このような結果を踏まえ平成18年度はNa^+-K^+-2Cl^-共輸送体Cl輸送活性制御機構のさらなる解析を進めたい。
|