研究課題/領域番号 |
17591945
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
田隈 泰信 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40095336)
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研究分担者 |
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40306254)
岡山 三紀 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30382500)
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キーワード | siRNA / SNAREタンパク質 / 唾液腺 / 開口分泌 / 遺伝子ノックダウン / SNAP-23 / dominant-negative変異体 |
研究概要 |
唾液腺には多数のSNAREタンパク質が発現しているが、開口分泌にどのSNAREが直接関与しているか明らかではない。本研究では、唾液腺細胞を用いる研究の前段階として、トランスフェクション効率の高いHeLa細胞をモデル細胞として、siRNAによるSNAP-23遺伝子の発現抑制がHeLa細胞の構成的分泌に及ぼす影響を検討した。その結果、SNAP-23単独、およびsyntaxin-4を併せたダブルノックダウンによってそれぞれのタンパク質のレベルが80〜90%低下したにもかかわらず、SEAPの構成的分泌は抑制されなかった。 そこで、siRNAの結果を補強する目的で、C端から8アミノ酸残基削除したSNAP-23のdominant-negative変異体の発現ベクターを構築し、これをHeLa細胞に過剰発現させ、分泌に対する影響を調べた。その結果、siRNAと同様、SEAPの分泌は全く抑制されなかった。次に、HeLa細胞の分泌過程を可視化する目的でGFP標識したヒト成長ホルモンhGH-GFPを発現させ、siRNAとdominant-negative変異体の影響を共焦点顕微鏡で観察した。その結果、siRNAを導入した細胞と正常細胞の差は認められなかったが、dominant-negative変異体を過剰発現した細胞ではhGH-GFPを含む分泌小胞が細胞の辺縁部でカバーグラスと接触する部位に蓄積する像が見られた。このような変化は、C端から49アミノ酸残基削除したコントロールベクターでは全く見られなかった。しかし、hGH-GFPの分泌量をELISAで測定した場合には分泌抑制効果は認められなかった。 これらの結果とこれまでに報告された事実を総合すると、SNAP-23はHeLa細胞の構成的分泌に関与しているが、その役割は必須ではなく、他のSNAREタンパク質によって一部代償可能と思われた。
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