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2005 年度 実績報告書

唾液蛋白質ヒスタチン遺伝子の組織・細胞特異的発現制御と自然免疫に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591954
研究機関松本歯科大学

研究代表者

王 宝禮  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20213613)

研究分担者 今村 泰弘  松本歯科大学, 歯学部, 講師 (00339136)
荒 敏昭  松本歯科大学, 歯学部, 助手 (90387423)
宇田川 信之  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
キーワードヒスタチン / 組織特異的発現 / プロモーター
研究概要

歯周疾患は環境要因、特に歯周病原菌の軟・硬組織への吸着及び刺激に伴い、組織の破壊や歯槽骨吸収が引き起こされる。これらにより、宿主細胞間の複雑な応答が歯周組織炎症を惹起する。これまでに我々は、歯周病原菌由来LPS刺激による歯肉線維芽細胞の炎症性サイトカイン産生、プロテアーゼによる結合・硬両組織の破壊機序について報告した。
唾液蛋白質、特にヒスタチンは抗菌作用を、分泌性IgAはう蝕・歯周病原菌などの細菌やウイルスなどに対する免疫学的活性を有し、口腔内自然・獲得両免疫が誘導される。現在までに我々は、ヒスタチンの口腔細菌由来プロテアーゼ活性阻害による自然免疫機構や歯肉上皮細胞増殖促進効果について報告した。一方、ヒスタチンはHIV感染者で発現低下が認められ、日和見感染症や歯周疾患を伴うことが知られている。また、ストレス、降圧剤などの服用、老化、ある種の全身性疾患により発症する口腔乾燥症は、唾液分泌(ヒスタチン量)低下に伴い各感染症を誘発する可能性について示唆されている。これらは、唾液蛋白質の直接・間接的重要性を意味し、唾液蛋白質の詳細な機能解明が必要とされる。現在、ヒスタチンの唾液腺細胞特異的発現制御については全く明らかでないため、ヒスタチン遺伝子プロモーター領域(転写開始部位から上流約3kbp)をクローニングし、これをルシフェラーゼ遺伝子の上流に連結したプラスミドを構築した。これを唾液腺細胞HSG及びその他の組織由来細胞HeLa、HEK293、SCCTM、COS-7、NIH3T3に導入後、転写活性をそれぞれ測定したところ、唾液腺以外の組織由来細胞全てにおいてプロモーター活性は殆ど無く、HSGで有意に認められた。このことは、細胞特異的な発現制御を示唆しており、現在、このプロモーターの様々な欠損領域を作製し、これらがどの様な細胞特異的転写制御を担っているのか詳細に検討している。

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公開日: 2010-01-29   更新日: 2016-04-21  

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