研究課題
基盤研究(C)
本研究では、交感神経刺激による骨代謝への影響が感覚神経により修飾される可能性を探る目的で、アドレナリンβ-受容体刺激による骨芽細胞応答に対するニューロペプチド受容体刺激の影響を検討し、骨芽細胞におけるこれら情報伝達系のクロストークの解析を試みた。また、交感神経と骨芽細胞の機能的な関連を追求し、直接的に両細胞がシナプスを形成しうるか否か検討した。その結果、神経細胞と骨芽細胞の共培養下において、サソリ毒は神経細胞を興奮させノルアドレナリンの放出を促し、骨芽細胞のα1-アドレナリン受容体を介して[Ca^<2+>]i上昇を惹起することを示し、共培養実験系において、神経細胞と骨芽細胞によるα-アドレナリン受容体を介した機能的な相互作用の存在を示した。また、ヒト骨芽細胞において、LPAがLPA受容体のEdg-2を刺激し、IP3受容体を経由して細胞内Ca^<2+>ストアーからCa^<2+>を動員すること、またPLCを活性化およびRho-kinaseの関与によりIL-6およびIL-8産生を有意に促進させ、破骨細胞の形成に関与する可能性を示した。すなわち、骨芽細胞におけるIL-6産生は、ノルアドレナリン誘導性のMAPK介在の経路とは異なる経路においても生じていることが明らかとなった。このようなアドレナリン誘導性の破骨細胞形成に対し抑制的な影響を及ぼす感覚神経系のCGRPの作用機序を更に追求している。交付希望期間内に、我々の研究室で得られた知見に基づいた仮説『交感神経が惹起する骨代謝応答に生理的な直接的な機能関連が存在する』を、培養細胞実験で検証し、それらの知見を総括的に纏めた総説を公表することが出来た。
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