研究課題
本研究では、頭頸部悪性腫瘍に対する放射線治療により生じる副作用の中で最も治療後のQOLに関与すると言われている口腔乾燥症について、その発現パターンを正確に分析・把握し、予後因子との関連を明らかにすることを目的としている。放射線治療前、治療開始2週間後、治療開始4週間後、治療終了時、治療終了後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月時の口腔乾燥状態をアンケートと実際の唾液量測定により評価した。画像評価は随時追加する。これらの経時変化を追跡することにより口腔乾燥症の発現パターンと患者のQOLの評価を行うことができる。アンケート項目は、昨年度作成した評価項目(口腔乾燥度、唾液粘調度)に関し評価を行った。これらは、患者のセルフレポートに基づいて評価し、アンケート項目を0〜10点の点数制として患者自身にアンケート用紙を記入してもった。線量評価は、治療計画装置にて線量分布図を作成する際に、大唾液腺および小唾液腺の線量評価を施行した。ただし、大唾液腺、小唾液腺とも立体のものであるため、その体積全体の平均線量を同器官の線量とした。唾液量測定方法は、仝口腔唾液量測定および口腔水分計を用いた測定を行った。画像評価に関しては、CTを主として用い、大唾液腺領域および小唾液腺領域のCT値とコントラスト比を用いて評価した。これらの経時変化を追跡することによって、口腔乾燥症の他覚的検査および画像評価による発現パターンと自覚的検査により得られる患者のQOLとの関係を検討しているところである。今後これらの症例数の増加を図る。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
Anticancer Research 26(5B)
ページ: 3933-3937
European Journal of Radiology Extra 60
ページ: 11-14
MICCAI 2006 Workshop Proceedings
ページ: 67-74
Oral Radiology 22(1)
ページ: 37-40
Oral Radiology 22(2)
ページ: 86-88
ページ: 89-92