研究課題
基盤研究(C)
目的)本研究の目的は、新たに開発した3.0T-MR用顎関節専用サーフェースコイルを用い、従来の1.5T-MRより、正確に、顎関節症患者の顎関節部硬軟両組織の形態的・機能的異常を分析できる方法を開発することである。材料および方法)本学倫理委員会の承認のもと、無症状および顎関節症のボランティア9名をサーフェースコイルを用いて3Tで撮像した。1.新規3T-MR用顎関節部3inch Dual Surface Coil:新規に開発したSurface Coilとアップグレードしたソフトウェアを用い、顎関節の鮮明な画像が得られる最適な撮像法(撮像シークエンス、撮像断面の位置)について検討した。2.顎関節の形態的・機能的変化を診断分析できるシステムの開発:形態と機能時の動態をわかりやすく3次元的に表示・分析できる方法について検討した。結果)1.新規3T-MR用顎関節部サーフェースコイル:顎関節部軟組織の形態変化の描出には下顎頭長軸に垂直な断面の画像が適していたが、顎関節の動態の把握は、矢状面に平行な断面の画像でも可能であった。2.顎関節の形態的・機能的変化を診断分析できるシステムの開発1)形態的分析MPR(多断層再構成表示)および3D表示により、顎関節の形態的分析が可能な多くのビューイングソフトウェアにより行えた。より鮮明な画像が得られ、計測が容易に正確に行えるようになった。2)機能的分析3D Pseudo-Cine画像として、開閉口時の下顎頭・関節円板の運動の分析を可能とした。単純な閾値処理による半自動画像解析では、顎関節部諸構造を分離できなかった。また、これら諸構造のフリーハンドのトレース法では膨大な分析時間が必要で、位置合わせの精度に問題があった。そこで、輪郭上のポイントをスプライン曲線で結ぶ、半自動境界検出法によるトレース法を用いたところ、分析時間の短縮と位置合わせの精度の向上を図れた。臨床に用いるためには、額関節3.0TMR画像の特徴を考慮した適切なコンピュータ支援診断機能(CAD)による画像処理法が必要性である。
すべて 2007
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Dentomaxillofacial Radiology No.36・Vol.1
ページ: 1-11
四国歯学会雑誌 第19巻2号
ページ: 231-238
ページ: 239-246
ページ: 255-262
Dentomaxillofacial Radiology No.36・Vo3.1
Shikoku Dental Research No.19.Vol.2