研究課題/領域番号 |
17591965
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
角 忠輝 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80284701)
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研究分担者 |
角 美佐 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (90284702)
田代 茂樹 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20300882)
佛坂 由可 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10244089)
中村 卓 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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キーワード | 再生医学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 放射線 / 歯学 |
研究概要 |
平成17年度においては、抜歯窩の修復機転に必須の破骨細胞の機能におよぼす細胞質型ホスホリパーゼA_2(cPLA_2)の働きについて調べた。マウスマクロファージ細胞RAW264.7が破骨細胞に分化誘導される際、cPLA_2を特異的阻害剤ならびにRNA干渉によってその機能や発現を抑制すると、その分化誘導も抑制され、細胞の多角化現象が見られなくなった。 そこで平成18年度は個々の細胞が融合し多角化する際のcPLA_2と、細胞骨格をつかさどるアクチンの関係について検討を加えた。 1.cPLA_2阻害剤による筋原細胞の分化誘導阻害。 マウス筋原細胞C2C12にcPLA_2阻害剤であるAACOCF_3並びにMAFPを作用させ、低血清下で培養し、3核以上に多核化した細胞数をコントロールと比較した。cPLA_2の働きを阻害すると濃度依存的に多核化細胞の数は減少した。 2.cPLA_2siRNAによる筋原細胞の分化誘導阻害。 cPLA_2siRNAをC2C12にトランスフェクションした上で低血清下にて培養し、3核以上に多核化した細胞数をコントローノレと比較した。その結果cPLA_2の発現を阻害すると多核化細胞の数は減少した。 3.cPLA_2とアクチンの分化誘導時における細胞内局在の変化。 RAW264.7細胞の分化誘導前後のcPLA_2とアクチンの細胞内局在について、モノクローナルcPLA_2抗体とポリクローナルアクチン抗体を用いて二重染色し、共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。分化誘導前、2つのタンパクは細胞質中に広く分布しているが、分化誘導後にはともに細胞膜近傍に局在を変化させた。C2C12細胞についても同様の挙動を示した。 以上のことから、cPLA_2は細胞の融合・多角化現象に必要であり、細胞融合時の細胞骨格の変化に深く関わっていることが示唆された。以上の結果の一部を第47回日本歯科放射線学会総会・学術大会(2006年5月東京)にて報告した。
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