17年度研究実施計画は主にダブルアームデジタルX線装置の設計と製作で、装置の開発に先立ち、本体の形態を決定するために、障害児・者の歯科診療時の設備・環境を調査を行った。おもに福島県内の、障害者施設に直接または間接的に、VTR等により状況を調査した結果、障害児・者の歯科診療は、主に車椅子のまま診療しているか、ベッドサイドで行っていることが多く、本体の形態は移動式とした。 本体の製作では、支柱部および移動脚には朝日レントゲン社KX-60Mのものを用い、X線発生装置同社、KX-60Cを用いた。本体のアームの先肘にはフレキシブルアーム(アーチグリップAGR-1)を設け、さらに可動性を向上させた。アームの固定は当初CCDセンサ用アームを電磁ロックで固定する方法を予定していたが、本体のアームを固定する方が、より円滑な撮影操作が可能であることがわかり、本体アームに手動式ストッパーを設置した。これにより照射コーンが固定されるため、CCDセンサ用アームは、コーンに直接装着することが可能となった。CCDセンサ用アームは、コーン部に基部を装着しコーンの周囲を回転することが出来ると同時に、照射方向にスライド可能で、これにより、口内法撮影のすべての領域を撮影することが可能となった。また、装置からの漏洩線量測定を行いその安全性の確認行った。 17年度の臨床応用は、健常者で行い、アームの長さや、回転角度の保持部位などの検討を行っており、現在、CCD保持具の安全装置の検討に入っている。
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