研究概要 |
本研究の目的は、障害児・者の安全な口内法X線撮影法を確立することにあり、患者自らフィルムを保持できない状況下においても術者および介助者の被曝なしに撮影が可能な装置の開発にある。 平成17,18年度において撮影装置の開発を行い、平成19年度では装置問題点の整理と改良、撮影時被曝線量の測定を行い、術者被曝に関して検討を行った。 本体エックス線装置は移動型とし、支柱部および移動脚には朝日レントゲンKX-60M用を用い、X線発生装置は、KX-60Cを用いた。また、CCDはPlanmeca DIXISを用い、X線装置の本体のアームを手動式ストッパーで固定し、さらにアームの先肘にCCDセンサを保持するためのフレキシブルアーム(カネテックMB-MX40F)を装着した。さらに、安全対策として、患者の不要な動きに対する安全対策を検討し、照射ヘッド上に照射野監視モニターを設置した、監視用モニターとして、CANNON社小型デジタルカメラを雲台を介してヘッド部に装着したが、コントロール画面上でもモニターが可能になるように、さらに小型監視用USBカメラを設置した結果、離れた場所から鉛ガラスを通して直視する場合よりも明瞭で、わずかな動きにも瞬時に対応できることがわかった。またモニター画像は、撮影コントロールモニター上に組み込むことにより一層安全な対応が可能となった。 臨床応用は、健常者で行い、デジタルカメラの位置や、角度、拡大率について最適条件を検討し、合わせて術者の被曝線量の測定を行った。術者被曝線量の測定はRadcal社線量計を用いて、術者のコントロール部で鉛ガラスの後ろ側で測定したが、ほぼバックグラウンドレベルであることが確認され、障害児・者の口内法X線撮影を術者および介助者の被曝なしに出来ることが分かった。
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