研究概要 |
1.患者および線量データ 2000年10月から2007年3月まで本大学病院で行われたインプラントCT検査の患者および線量について評価した。撮影条件は120kV、スライス厚1mm、ピッチ1、1スキャン0.75secである。管電流はCT導入時から2007年3月まで200、180、および150mAへ段階的に低く設定されている。全期間における件数は988件(男性363、女性625)、平均年齢は女性では52.4±19.8歳、男性では53.3±12.1歳であった。管電流200、180、および150mAにおける片顎検査(上下顎同時検査)の件数は287(50)、90(17)、および509件(35件)であり、全期間では片顎検査が約90%を占めた。各期間における平均線積分線量(dose-length product, DLP)はそれぞれ245.3±45.7(453.4±33.0)、236.3±48.7(439.7±13.3)、および184.2±23.2(354.6±20.7mGycmであり、片顎と上下顎同時検査を合わせた平均DLPはそれぞれ276.2±86.2、236.3±87.2、および195.1±47.8mGycmであった。 2.画像品質基準 昨年度作成した「インプラントCT検査の画像品質基準」を用いて患者10名について歯科医2名による観察試験(yes, no)を行いスコア化し、各患者および29項目の画像品質基準を評価した。上顎では患者Gのスコアが47.1%と最も低く、他の患者では87.5-94.1%と高いスコアを示した。上顎では品質基準18項目中8項目で100%を示した。下顎では患者スコアは63.6-90.9%の範囲であった。品質基準では舌下腺窩と切歯枝が42.9、下顎下縁が57.1、抜歯窩が83.3および顎下腺窩と下顎管が85.7%であり、その他の5項目は100%であった。
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