研究課題/領域番号 |
17591976
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
外山 三智雄 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (00217564)
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研究分担者 |
那須 優則 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50130688)
佐々木 善彦 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (70257054)
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キーワード | 口腔乾燥症 / シェーグレン症候群 / 唾液腺シンチグラフィ / 動態曲線パターン / シェーグレン症候群の診断基準 / 正診率 / 感度 / 特異度 |
研究概要 |
口腔乾燥症とシェーグレン症候群に対する唾液腺シンチグラフィの診断基準を確立する目的で、動態曲線のパターン分類を検討した。 対象は、口腔乾燥を主訴として唾液腺シンチグラフィを施行された症例のうち、シェーグレン症候群と確定された16例(男性4例、女性12例、平均年齢59.4±13.5歳)と口腔乾燥症32例(男性13例、女性19例、平均年齢59.7±15.2歳)である。 検討方法は、耳下腺、顎下腺における唾液腺シンチグラフィの動態曲線を以下のように分類した。正常型:集積、分泌機能ともに異常がみられないもの。機能低下型:集積および分泌機能が低下しているもの。集積増加型:集積が増加しているもの。平坦型:集積がみられない、あるいは集積があっても分泌機能が消失しているもの。シェーグレン症候群の診断基準を以下のように定義した。診断1:平坦型あるいは機能低下が1つ以上の唾液腺にみられたらシェーグレン症候群と診断する。診断2:平坦型あるいは機能低下が複数の唾液腺にみられたらシェーグレン症候群と診断する。診断3:平坦型が1つ以上の唾液腺にみられたらシェーグレン症候群と診断する。診断4:平坦型が複数の唾液腺にみられたらシェーグレン症候群と診断した。 結果は以下の通りであった。1)診断1の感度は62.5%、特異度は71.9%、正診率は68.8%、陽性的中率は52.6%、陰性的中率は79.3%だった。2)診断2の感度は56.3%、特異度は81.3%、正診率は72.9%、陽性的中率は60.0%、陰性的中率は78.7%だった。3)診断3の感度は56.3%、特異度は90.6%、正診率は79.2%、陽性的中率は69.2%、陰性的中率は80.6%だった。4)診断4の感度は50.0%、特異度は93.8%、正診率は79.2%、陽性的中率は80.0%、陰性的中率は78.9%だった。 以上、パターン分類では、診断4の方法が正診率、特異度、陽性的中率がともに高かった。複数の唾液腺における平坦型のパターンが、シェーグレン症候群の診断基準を確立するための所見として有効と思われた。
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