研究分担者 |
湯浅 賢治 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (40136510)
谷口 省吾 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (70179836)
三輪 邦弘 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (10136509)
香川 豊宏 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (00258592)
市原 隆洋 福岡歯科大学, 歯学部, 診療放射線技師 (80399196)
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研究概要 |
本研究はMRIを用いて顎関節症における咀嚼筋の痛みについて検討を行った。撮像シーケンスはMagnetization Transfer Contrast(MTC)法で撮像を行い,得られた画像よりMagnetization Transfer Ratio(MTR)の検討を行った。 1.寒天を用いた基礎実験で2%,4%,6%,8%,10%の寒天を撮影しMTRを測定した結果,10%寒天が高く水分量が増えていくに従い低くなっており2%寒天が一番低かった。MTRは水分含有量により左右され,水分含有量が増えるほど低くなることが示唆された。 2.ボランティアと片側の咬筋に疼痛を訴える顎関節症患者を対象としてMagnetization Transfer Ratio(MTR)の検討を行った。ボランティアにおける咬筋MTRの左右差と顎関節症患者における咬筋MTRの疼痛側と非疼痛側の差には有為な差を認めた。MTRは疼痛側咬筋の組織変化を反映しており咀嚼筋の画像検査において有用であることが示唆された。 寒天を用いた基礎実験よりMTRは水分含有量に影響され変化しており水分含有量が増加するとMTRは減少していた。顎関節症患者の疼痛側の咬筋MTRは非疼痛側に比べ低い傾向を示していた。これは,疼痛側咬筋組織内の自由水を増加させる病的変化の存在が示唆された。つまりT2WIなどでは描出できない浮腫等の病変が疼痛の誘発に関係していることが考えられた。
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