研究課題/領域番号 |
17591985
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 拓一 東北大学, 大学院歯学研究科, 講師 (10303132)
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研究分担者 |
島内 英俊 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70187425)
高橋 信博 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60183852)
八巻 惠子 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (90182419)
松山 順子 新潟大学, 医歯学系, 助手 (30293236)
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キーワード | 歯学 / 口腔細菌 / 根尖性歯周炎 / PCR / 16S ribosomal RNA |
研究概要 |
感染根管内にどのような微生物が、どの位の量、棲息しているのであろうか。本研究ではこの点に注目し、根尖性歯周炎の治療経過に伴う感染根管内細菌叢の質及び量的動態を明らかにするために、Real-time PCR法を用いて根管治療開始時と根管充填直前の根管内総細菌量を定量解析し、さらに16S ribosomal RNA genesのクローニング法とシークエンス法を用いて、根管内細菌叢の構成細菌種の変化についても比較検討した。東北大学病院歯内療法科外来を受診した患者のうち、インフォームドコンセントの得られた根尖性歯周炎症例を研究対象とした。感染象牙質の採取は、感染根管治療開始時と根管充填直前、すなわち、根管内滲出液が認められず、根尖部の炎症が改善したと臨床的に考えられる時点の計2回行った。各試料の象牙質中のgenomic DNAを抽出し、16S ribosomal RNA genesをuniversal primersを用いたReal-time PCRによって、総細菌量を測定した。また、増幅させた16S ribosomal RNA genesからクローニング法によってクローンを得て、それを基にGenBank Database Blast Searchを用いて細菌種を同定した。さらに、同定した細菌種の系統樹を作成し各細菌種の類縁関係を検討した。根管充填直前の象牙質中の細菌量(0.02-36ng/mL)は、根管治療開始時(0.36-152ng/mL)よりも、低い傾向にあった。得られたクローンのシークエンス解析の結果、根管治療開始時において、Fusobacteriumが最も優勢であったが、根管充填直前においては、Pseudomonas, Bradyrhizobium, Methylobacteriumが優勢であった。次年度は、系統類縁関係の詳細な解析と、その結果を英論文としてまとめ、公表する予定である。
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