研究概要 |
1.手用Kファイルで根管形成した時に歯根表面に生じる歪みの大きさを,ストレンゲージを用いて測定し,歯根破折との関連を調べた.根管象牙質が薄い場合には,800マイクロストレイン(0.08%)以上の歪が生じたときに,亀裂を生じる可能性があることが明らかになった.上顎小臼歯ではisthmusの部分が構造的に抵抗減弱部となることが示唆された. 2.レーザーあるいは超音波振動で逆根管充填窩洞を形成する際の象牙質の歪みの大きさをストレンゲージを用いて測定し,歯根破折との関連を調べた.超音波よりレーザーを用いた時のほうが歪みが小さいことが明らかになった.1.2の実験結果をふまえ,根管形成促進剤を用いた時に,トルクの減少,歪みの減少が認められるかどうか次の実験では確かめる予定である. 3. 20%のHClをEthanolで希釈したものを根管形成の補助剤として用いて根管形成した.ニッケルチタンファイル(エンドウェーブ)における根管形成において,形成の迅速化,ファイルに加わるトルクの減少が認められ,効率的に根管形成できることが分かった. 4. Micro-focus CTが歯学部に導入しされ,5月頃から運用されることになったので,早く機械に慣れる意味もあったので,根管形成した歯根を試験的にCT写真撮影をし,撮影に最適な条件を求めた,今後,根管形成促進剤を用いた時にどの程度の深さまで脱灰されるか,亀裂の発生を生じるか,根管の移動が観察されるかについてMicro-focus CTで調べる予定である.
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