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2006 年度 実績報告書

マラッセの遺残上皮の増殖機序と役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591995
研究機関九州大学

研究代表者

橋口 勇  九州大学, 大学院歯学研究院, 助手 (10150476)

研究分担者 赤峰 昭文  九州大学, 大学院歯学研究院, 教授 (00117053)
キーワードマラッセの遺残上皮 / ラット / 実験的根尖性歯周炎 / TrkA
研究概要

1/2のラウンドバーにて、生後5週齢のSDラット第一臼歯の咬合面を穿孔露髄させ、その後開放のまま放置することで実験的根尖性歯周炎を惹起させた。無処置の対照群、露髄後3,6週経過群のラットをPLP固定液にて環流固定後、試料を摘出しEDTA溶液にて脱灰後通法に従い凍結切片を作成した。一次抗体として抗TrkA抗体、抗PGP9.5抗体、抗ED1抗体、抗Ia抗原および抗IL-1β抗体を用いた免疫染色を行った。無処置の対照群では、マラッセの遺残上皮は根尖部歯根膜組織中には観察されなかったが、分岐部歯根膜中では主としてセメント質近傍に類円形の小塊状を呈して散在性に認められ、TrkAに陽性を示していた。ED1陽性細胞やIa抗原陽性細胞が根尖および分岐部歯根膜中に散見されたが、小円形細胞の浸潤は観察されなかった。PGP9.5陽性の神経線維は歯槽骨から歯髄内および歯根膜中に伸長していたが、顕著な分岐はみられなかった。露髄群における根尖歯根膜中では、根尖孔を中心として著明な好中球の浸潤がみられ、周囲歯根膜中にはED1陽性細胞やIa抗原陽性細胞の増加ならびにIL-1β陽性細胞の浸潤が観察された。また、PGP9.5陽性の神経線維は炎症部位を囲繞するように走行しており、発芽により神経線維の密度は明らかに上昇していた。一方、露髄群における分岐部歯根膜では、偶発的髄床底穿孔試料以外では明らかな炎症所見は認められず、神経線維の発芽もみられなかった。遺残上皮は長楕円形を呈する小塊も認められたが、髄床底穿孔試料以外では明らかな増殖は観察されなかった。TrkA陽性の遺残上皮とTrkA陽性の骨芽細胞の局在はほぼ一致していた。これらのことから、マラッセの遺残上皮と神経線維との直接的な関連はないこと、および遺残上皮と骨芽細胞の間にTrkAを介した密接な関連があることが示唆された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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