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2005 年度 実績報告書

菌体内毒素に対する水酸化カルシウムの有効性

研究課題

研究課題/領域番号 17592010
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

至田 宗泰  大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (10187354)

キーワード菌体内毒素 / 生物活性 / 炎症性サイトカイン / 水酸化カルシウム / RT-PCR
研究概要

根管内に残存する菌体内毒素(LPS)は,根尖性歯周炎に伴う根尖周囲骨の骨吸収過程において重要な役割を演じている.免疫細胞やその他の生体細胞はLPSに強い感受性をもっており,そのために微量でも確実に細胞に影響を及ぼすことになる.したがって,根管内に残存したLPSは歯内治療の成否に重大な影響を及ぼすことになる.
水酸化カルシウムの細菌に対する作用として,持続的な消毒作用と並んで,LPSのもつ生物活性を変化させることが報告されている.しかし,個々の生物活性に与える詳細な影響に関する研究は少ない,そこで今回,水酸化カルシウムのLPS生物活性への影響を検討する一環として,LPS刺激時のヒト歯根膜由来線維芽細胞におけるIL-1α,IL-1β,IL-6,IL-8およびTNF-αの5種類の炎症性サイトカインのmRNA発現に対する水酸化カルシウムの影響をRT-PCR法により検討した.現在までの結果は次のとおり.
1.1L-6mRNAの発現
LPSはHPLFに対し,すべての作用時間においてIL-6遺伝子発現を増加させた.12時間作用群では,LPS刺激によって増加したIL-6遺伝子発現は水酸化カルシウムによって抑制された.しかし,24時間作用群では,水酸化カルシウムによる単独刺激でLPS刺激時よりも強いIL-6遺伝子の発現が認められた.
2.IL-8mRNAの発現
LPSはHPLFに対し,すべての作用時間においてIL-8遺伝子発現を増加させた.また,すべての作用時間において,LPS刺激によって増加したIL-8遺伝子発現は水酸化カルシウムによって抑制された.そして,水酸化カルシウム単独刺激ではIL-8遺伝子発現に全く影響しなかった.
3.TNF-α mRNAの発現
LPSはHPLFに対し,6時間作用群においてTNF-α遺伝子を強く発現させたが,12時間作用群および24時間作用群においては全く発現させなかった.また,6時間作用群におけるTNF-α遺伝子の発現は,水酸化カルシウムによって抑制された.そして,水酸化カルシウム単独刺激では,TNF-α遺伝子の発現を全く認めなかった.
4.IL-1αおよびIL-1β mRNAの発現
LPSはHPLFに対し,すべての作用時間でIL-1αおよびIL-1β遺伝子を発現させることはなかった.また,水酸化カルシウム単独刺激でも,IL-1遺伝子は全く発現しなかった.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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