研究課題/領域番号 |
17592015
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古内 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50209160)
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研究分担者 |
渡辺 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80091768)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
坪井 明人 東北大学, 病院, 准教授 (00241646)
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キーワード | 咀嚼筋 / 咬筋 / 代償性変化 / 顎運動 |
研究概要 |
1.目的 咀嚼嚼動は各咀嚼筋の共同作業により行われているが、それぞれの咀嚼筋が顎機能にどのように関与しているかは必ずしも明らかではない。そこで、これまでの骨系統疾患である鎖骨頭蓋異形成症患者の咀嚼筋機能の解析にヒントを得て、本研究では実験的にウサギ咬筋に筋弛緩剤を投与し筋機能を局所的に低下させ、代償性に生じる咀嚼筋の機能変化を解析すること、すなわち筋機能低下部位と代償性機能亢進部位との関連を明らかにし、咀嚼運動に対するひとつひとつの筋の作用を詳細に解明することを目的とした。 2.材料、方法 日本ウサギ(雌、体重2〜2.5Kg)を用いて全身麻酔下で、咬筋浅部にA型ボツリヌス毒素を局所投与した。A型ボツリヌス毒素は、神経筋接合部での神経細胞終末からのアセチルコリン放出を選択的に阻害し、局所的に長期間筋弛緩作用をあらわす薬剤である。 3.結果 片側咬筋へA型ボツリヌス毒素を10単位投与し4週後に咬筋の形態を左右比較したところ、投与側咬筋の大きさは対照側の約80%に低下しており、A型ボツリヌス毒素による筋機能抑制に伴う形態変化が示された。 4.まとめ 各咀嚼筋の顎運動への作用を明らかにするため、A型ボツリヌス毒素を咬筋に投与し局所的な筋機能抑制状態を示すモデル動物を作成した。咬筋機能抑制が効果的に得られる投与量と時期、筋抑制の程度について明らかにした。咬筋機能抑制モデル動物を応用することで顎関節症の病態解析が実験的に可能になり、意義は大きい。
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