研究概要 |
咀嚼筋痛に対して、これまで様々な治療法が用いられてきてきた。スタビリゼーションスプリント(以下SS)は保存的治療法のひとつである。しかしながら、慢性筋痛に対する効果については意見が分かれており、適応症の基準もあいまいである。 慢性筋痛は、精神的および肉体的なストレスにより増悪するといわれている。そのため、認知行動療法(以下CBT)は顎関節症(以下TMD)の症状の軽減に有効である可能性が高い。例えば、顎関節症における症状のマネージメントにおいて、精神社会生物学的因子が重要な役割を果たしており,歯科的介入を行わなくとも,2か月で約85%の患者の症状が改善することがわかった。 本研究は、CBTのみ行っても、SSによる治療成績に劣らない治療成績が得られる可能性を調べるものである。当該期間においては、咀嚼筋の慢性筋痛の治療法についてのエビデンスを得るため、無作為化臨床比較試験を計画し、システムを構築し、開始することができた。 1.試験デザイン:並行群間比較、ランダム化、およびオープンだが測定者がブラインド化されている 2.目的:生物学的・臨床的同等性 3.介入:2群:CBTのみにより治療する群、およびCBTとSSの両方により治療する群 4.適格性:罹患期間4週間以上の慢性咀囎筋痛を有する。試験開始4週間の平均的VAS値が4以上を示す 5.評価:咀嚼筋の疹痛のVAS値の有効率(VAS値の減少率が50%以上なら有効とする)
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