研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
完山 学 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90294420)
上原 淳二 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10379836)
縄稚 久美子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10379787)
山崎 聖也 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (40444666)
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研究概要 |
過去17年間にインプラント義歯を装着した患者に対し,当科独自のメンテナンスプロトコルに従いリコールを行った.そのうち,研究の同意が得られた患者よりインプラント周囲歯肉溝滲出液(PICF)の採取を行った.また,インプラント周囲歯肉に炎症が認められ,かつレントゲン的に骨吸収が確認された4名のPICFを用いて,予後とコラゲナーゼ(MMP-8)ならびに腫瘍壊死因子α(TNFα)の可溶型レセプター(sTNFR-I,sTNFR-II)との関連を検討した.さらに,口腔インプラント治療の効果を総括的に捉えるために,リコール患者のQoLレベルを測定した. 【方法】 1.1990年2月から2007年3月までにインプラント義歯を装着した全インプラント患者390名の診療録から,患者基礎データならびにインプラント体の生存を調査した. 2.インプラント周囲炎と疑われた4名のインプラント体周囲からPICFを採取し,同時にデンタルX線撮影を行い,ELISA法により測定したPICF中のMMP-8ならびにsTNFRの濃度との関連を検討した. 3.昨年度より引き続き,振り返り項目を備えた当科独自のQoLアンケートを用いて,リコール患者の術前,術後ならびに術後からみた術前のQoLレベルを測定した. 【結果】 1.当科の全リコール患者は全患者390名,インプラント体埋入総本数は1010本であった.そのうち除去されたものは36本で,単純残存率は96.4%であった. 2.骨吸収が認められたインプラント体周囲のPICF中のsTNFR-IおよびsTNFR-II濃度は,骨吸収が認められなかったものに比べ高かった. 3.口腔インプラント患者では,治療前QoLレベルが低い患者にレスポンスシフトが発生していた.
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