研究概要 |
Candida albicans死菌体懸濁液をウサギの口蓋扁桃への投与を繰返すと、C.albicans唾液抗体が誘導される。この唾液抗体は、細胞培養の実験において、C.albicansによるヒト歯肉上皮細胞への付着を阻害することが示された。したがって、本菌を扁桃投与して唾液抗体を誘導させると、口腔内でのC.albicans感染を抑制すると期待される。そこで,ウサギでの実験的C.albicans口腔内感染実験系を作成し口腔感染におよぼす唾液C.albicans抗体の影響を検索することにした。 実験的C.albicans口腔内感染実験系として、近年マウスにおいて報告された、1回の生菌投与により,口腔にC.albicansを定着させる方法で行った。本法ではウサギに、抗精神病薬クロルプロマジンを筋注し、舌や顎の運動を抑制させた状態で、口腔内にC.albicans生菌懸濁液を直接または綿球に含ませて口腔内に投与した。その結果、投与2日後には投与前には検出できなかったC.albicansが、口腔液swab懸濁液にそのまま投与した場合には3×10^4個(CFU:コロニー形成単位)、また抗菌薬を同時にウサギに投与した場合には5×10^5個程度のC.albicansの定着を観察した。しかしながら、舌表面を含め口腔内においてC.albicans感染による白斑形成には到っていない。現在、ハイドロコーチゾンによる免疫抑制を誘導させ、舌表面への白斑形成法を検討している。
|