研究課題/領域番号 |
17592044
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
杉山 哲也 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50216347)
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研究分担者 |
櫻井 薫 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20153950)
大神 浩一郎 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40366175)
上田 貴之 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (20366173)
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キーワード | 二酸化チタン / 高齢者 / 義歯床 / 義歯清掃 / 口腔衛生 |
研究概要 |
義歯床用アクリリック・レジン・プレート16枚を製作し、うち8枚は通常のバフ研磨仕上げを行い、これをコントロールとし、残りの8枚には表面に二酸化チタン薄膜加工を施した。まずプレート試料の表面粗さおよび接触角を測定した。次に実験的食物残渣として、米飯(全粥)と唾液の混合物およびビスケットと唾液の混合物を用いて、プレートを食物残渣中に72時間浸漬し、食物残渣を付着させた。食物残渣付着後、超音波洗浄を行って大きな残渣を除去し、レジンプレート表面に薄く残った残遺の付着状態を、歯垢顕示液によって染色することによって計測した。着色されたレジンプレート表面の色調を画像データとして記録し、Scion-Imageを用いて染色部位の面積を求めた。なお、通常研磨を施したプレートと二酸化チタン薄膜加工を施したプレートの各々の半数については、超音波洗浄時にブラックライトによる紫外線照射を行うことにより、超音波洗浄による機械的な食物残渣除去時に、二酸化チタンの特性である光触媒作用が発揮されるようにし、光触媒作用が食物残渣の除去にどのように影響するかを検討した。統計解析は一元配置分散分析を行った後、多重比較検定にて各群間の差の検定を行った。 通常研磨群と比較してTiO2被覆群は、表面粗さが粗かったがぬれが良く、食物残渣の残留率は低かった。これはTiO2の性質によってもたらされたものと考えられた。義歯床用レジンプレートにTiO2をコーティングすることは、その表面性状を親水性に変化させ、従来の研磨を行ったものよりも高い清掃性を期待することができることが分かった。 現在、TiO2のコーティング方法および細菌の付着に関して検討を加えている。
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