研究概要 |
最近の臨床現場におけるアバットメントの傾向は,1接合が容易,2側方圧に対する抗離脱効果が高い,3緩みにくい,等の理由によりインターナルジョイント型が多用されている.インプラント開発経緯からもテーパージョイント型とエクスターナルジョイント型アバットメントに関する研究は多いが,インターナルジョイント型アバットメントの特徴に関する研究は少ない.本年度は特に接合部の応力分布状況に焦点を当て,インターナル型とエクスターナル型インプラントにおける静的ひずみ量を比率で評価した.実験手順としては,1)インプラント体にアバットメントを適正トルク値で接合し,インストロン万能試験機に固定する.2)インプラント/アバットメント接合部に,ひずみゲージを設置する.3)アバットメント部分に専用ロッドにて静的加重を加える.4)荷重方向に対する引っ張り,圧縮側のひずみ量を測定。5)インターナル型(Certain:3i)・エクスターナル型(Osseotite:3i)における同一重量に対するひずみ値の比率を持って評価. インプラント体ネック部における「ひずみ比」(インターナル型/エクスターナル型)は,引っ張り側で39.5±2.8%,圧縮側で74.6±5.0%であった.これはともにインターナル型結合様式はインプラントネック部へのひずみの集中が有意に少なく,側方圧に対する抵抗性が高いことを示している.アバットメント側の接合部周囲への「ひずみ比」は,引っ張り側で93.5±2.6%,圧縮側で105.3±4.5%であった。これはアバットメント自体に対する応力の分布には大きな差が無いことを示している.
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