研究概要 |
1.アパタイト薄膜の形成 アパタイト(HAp)薄膜作製条件は,成膜温度300℃,O_2+H_2Oガス0.8mTorr雰囲気中,1〜10Hzの照射間隔で,ターゲット上のエネルギー密度を1J/cm^2に設定し,ターゲットの過熱を防止し,均一な薄膜を作製するために,インプラント体は真空装置内で低速回転させた.その後,電気炉内で380℃-1hrのポストアニールにより結晶化した. 2.細胞培養試験 2週間後,膜厚200nm,膜厚500nmにおいて膜厚500nmおよび対照に比較して有意にオステオカルシンmRNAの発現量が多く,膜厚200nmで最多であった.しかし,アルカリフォスファターゼmRNA発現について,無処理群および実験群で有意差は認められなかった.3週間後,膜厚200nmにおいて他の3種類と比較して有意にオステオカルシン,アルカリフォスファターゼ両mRNAの発現量が多かった. 2週間後,コーティングした全ての試料で対照に比較してオステオカルシン蛋白の発現が有意に多かったものの,群間に有意差は認められなかった.3週間後では全ての試料群間で有意差は認められなかった. 3.動物実験 インプラント体表面のマップ観察から,表面積および表面粗さが対照,膜厚50nmおよび膜厚300nmの順に減少していた.動物実験後の歯槽骨のSEM観察ではシリンダー型,ネジ型共に膜厚50nmおよび膜厚300nmではともに対照と比較して多くの新生骨を形成している像が確認できたが,両者の新生骨形成像に差異は認められず,面積計測からも差は得られなかった.光学顕微鏡観察では,対照はネジ山までの新生骨形成が認められなかったが,膜厚50nmそして膜厚300nmではともにネジ山までの新生骨形成が観察された.
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