研究課題/領域番号 |
17592066
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齊藤 力 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80103357)
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研究分担者 |
小林 正治 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80195792)
高田 佳之 新潟大学, 医歯学系, 助手 (40313548)
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キーワード | 顎矯正手術 / 顎顔面・気道形態 / 閉塞型睡眠呼吸障害 / 安全基準 / 呼吸状態 / 終夜睡眠ポリソノグラフィ検査 / 無呼吸・低呼吸指数(AHI) / 側方頭部X線規格写真 |
研究概要 |
顎矯正手術が睡眠時の呼吸状態に及ぼす影響に付いて検討した。 【方法】対象は2005年7月から2006年3月に新潟大学医歯学総合病院口腔再建外科において顎矯正手術を施行した顎変形症患者17名(男性:5名、女性:12名;平均年齢23±8歳)で、術式の内訳は下顎技矢状分割法による下顎骨後方移動症例が14名(上顎LeFort I型骨切り術の併用:9名)、下顎枝矢状分割法による下顎前方移動症例が3名(上顎LeFort I型骨切り術の併用:2名、上顎前歯部および臼歯部歯槽骨骨切り術の併用:1名)であった。術前(T0)、術後数日(T1)、術後半年以上(T2)にパルスオキシメトリーを用いて睡眠時血中酸素飽和度(SpO_2)を測定し、時間当たりのSpO_2の変化した回数ODI(回/時)、最低酸素飽和度Lowest SpO_2(%)、SpO_2が90%未満に低下した時間帯の比率CT90(%)を算出した。さらに、T0、T2に終夜睡眠ポリソノグラフィ検査を行い、1時間当たりの無呼吸と低呼吸の回数を表す無呼吸・低呼吸指数AHI(回/時間)を算出した。顎顔面・気道形態の変化については。術前、術直後、半年以上経過時に撮影した側方頭部X線規格写真を用いて検討した。 【成績】下顎骨後方移動症例においてAHIは術前後で統計学的に有意差はなかったが、術後増加する傾向があった。術後にAHIが5以上になった症例は2例認められたが、いずれも睡眠呼吸障害の自覚はなく、移動量が10mm以上で、SpO_2でも術後悪化していた。AHIが最も増力した症例は後方移動量が13.3mmあり、T2でもLowest SpO_2が89%、CT90が0.03%と術前より悪化していた。一方、下顎前方移動症例では有意な変化を認めなかったが、AHIは術後増加していた。 【結論】下顎骨後方移動量の大きい症例では術後睡眠時に無呼吸発作を生じやすいと考えられた。
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