研究課題/領域番号 |
17592067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤田 一 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60271805)
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研究分担者 |
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学系, 助手 (10242439)
吉江 弘正 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143787)
小林 哲夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (00215344)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 口腔扁平苔癬 / 疾患感受性遺伝子 / SNP解析 / 免疫グロブリン受容体 / サイトカイン / FcγRIIIb / TNFR2 / ナノインベーダー法 |
研究概要 |
緒言: 口腔扁平苔癬(OLP)は、歯科臨床の現場でしばしば遭遇する難治性口腔粘膜疾患であり、その原因については、従来から細胞性免疫の異常が考えられているが、分子遺伝学的分析が十分になされていないのが現状で、確定的なものはない。今回私たちは、本疾患患者について、免疫関連遺伝子の多型解析を行ったので報告する。 対象および方法: 新潟大学歯学部倫理委員会の審査と承認を受け(平成14年6月5日承認)、生検にてOLPの病理診断が得られた32名および健常者99名を対象とし、インフォームドコンセントを得た上で末梢血採血を行い、フェノール/クロロホルム法にてゲノムDNAを抽出した。免疫グロブリン受容体5項目、サイトカイン8項目、蛋白分解酵素1項目の計14種類についてナノインベーダー法【○!R】にてSNPを検出し、各遺伝子座について、遺伝子型頻度、アリル頻度、アリル保有率を解析後、カイ二乗検定にてp値、オッズ比、相対危険度を求めた。 結果: TNFRII(+587)T/Gにおいて有意にGアリルが多く(p=0.0487)、Gアリルの保有率が高く(p=0.0268)、オッズ比2.7173(95%Cl 1.0995-6.7151)であった。また、IgG FcγRIIIb(NA)において、NA2アリルが多い傾向があり(p=0.1001)、オッズ比は1.6086(95%Cl 0.9106-2.8413)であったが、有意差は認めなかった。なお、その他の12遺伝子では、有意な結果は得られなかった。 考察: TNFRII(+587)T/G遺伝子多型は、機能的にはTNF-α誘導アポトーシスに関連しており、SLEや慢性関節リウマチ、重度慢性歯周炎との関連が報告されている。今回の結果から、TNFRII(+587)T/Gは、OLPにおける疾患感受性マーカーとなる可能性が示唆された。一方、IgGFcγRIIIbにおいてNA2/NA2遺伝子型は、NA1/NA1遺伝子型に比べて好中球の貪食能や活性酸素産生能が低く、歯周炎再発や早期発症型歯周炎との関連が報告されている。今回、OLP群において有意差は認めらなかったが、NA2アリルが多い傾向があり、今後、症例数を増やして再検討を行いたい。
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