研究課題/領域番号 |
17592068
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (40242440)
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研究分担者 |
藤原 直士 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70181419)
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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キーワード | numbness / nerve injury / trigeminal / peptide / optical imaging / mice / mechanical touch threshold |
研究概要 |
マウスを用いて、神経損傷モデルを作成した。C57BL6雄性マウスを用いて、腹腔内に抱水クロラールを注射し、オトガイ神経を露出し、絹糸にて結紮を行い縫合閉創した。麻酔覚醒後から長期間触覚閾値の変化を経時的に測定した。触覚閾値は、フォンフレイフィラメントを左右の口唇、オトガイ孔部の計4箇所で測定し、グルーミングを引き起こす閾値を触覚閾値とした。測定は術後10週間行い、その変化を検討した。 この術後の触覚閾値には非常に特徴があり、またこれらの変化には一定の傾向も認められた。始めに触覚閾値は手術直後に急上昇した。この状態は術後1週間ほど高い状態で持続していた。その後は2週間日までに低下を始めて約40日まで比較的高い状態で維持されていた。その後触覚閾値は再び低下を初め、50日以降は健側とほとんど変わりがないことを示している。さらに術後1週間から2週間までに生じた高い閾値からの急激な変化ではオトガイ孔部分が始めに閾値が回復し、それに続いて口唇付近の閾値が低下を始める傾向があることがわかった。これらの現象は臨床的な神経損傷後に認められる知覚の治癒過程と類似していた。また、知覚閾値が急激に回復した後で2週間日から40日目までの変化は、神経損傷後の患者で知覚がほぼ回復したが、異常感覚が続いている状態に相応する可能性が示唆された。 今後は今まで行ってきた中枢神経の光学的分析法、電気生理学的アプローチまたは免疫組織学的手法による神経ペプチド局在の時間的・空間的分析を行うことが必要と考えられた。
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