研究分担者 |
土井田 誠 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90313890)
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226172)
原 明 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10242728)
森 秀樹 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70021433)
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研究概要 |
申請者のグループは臨床材料を用い口腔領域の悪性腫瘍において、typeIVコラーゲンを破壊するMMPが腫瘍の浸潤・転移に関わり、特に活性型のMMP-2とリンパ節転移の関連が強いことを報告している(J Cancer Res Clin Oncol,2004)。MMP-2の活性にはMT1-MMPの関与が報告されているが、最近MT1-MMP, MMP-2,9を抑制的に制御する遺伝子(RECK)の関与が注目されており、RECKの発現低下は細胞の悪性形質発現に重要であることが明らかにされてきている。 一方、発癌に関わるエピジェネティックな変化としてpromotor領域のhypermethylationが各領域で報告されており、特に肺の扁平上皮癌においてp16,MGMT遺伝子のhypermethylationは発癌の予知が可能という報告もあり、hypermethylationの検討が発癌を考察するうえで重要であることが示唆され、口腔領域においても各遺伝子のhypemethylationが報告されている。われわれの研究でも口腔において腫瘍、あるいは正常粘膜でp16,MGMT遺伝子にhypermethylationが生じていることが確認できた。しかし、口腔領域でRECK遺伝子の発現様式やそのhypermethylationを検討した報告はみられない。そこでMMPとRECK遺伝子のhypermethylationとの関わりを明らかにすることを目的として研究を行った。 その結果、口腔癌細胞においてRECK遣伝子にhypermethylationが生じていることが確認されている。また、これらの細胞においてmRNAの発現をRT-PCRで確認しhypermethylationとの関わりを認めた。さらに脱メチル化剤を応用することにより癌細胞の浸潤を抑制することが確認できた。
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