研究課題/領域番号 |
17592082
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
福井 康人 広島大学, 病院, 医員 (90363085)
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研究分担者 |
岡本 哲治 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
張 雁 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50332797)
小林 雅史 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30346506)
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キーワード | アニマルキャップ / 歯牙誘導 / 顎骨 |
研究概要 |
1)アニマルキャップサンドイッチ培養の長期培養のための培地の開発 アフリカツメガエル胚(St.9)より切り出したアニマルキャップを100ng/mlアクチビンAを含むSteinberg氏緩衝液中で1時間前培養した後に未処理アニマルキャップ2枚で挟み込み、Steinberg氏緩衝液中もしくは、今回新たに開発した培養液RDX培地(RPMI1640とDMEMを1:1で混合したもの)中で、7、14、60日間培養し、ホルマリン固定後、切片を作成し、PAS-アルシアンブルー染色を行った。その結果、7日間培養した外植体では、両培養液間で組織形成に関しては、特に大きな差は認めなかったものの、14、60日間培養した外植体では全体にSteinberg氏緩衝液中で培養した外植体の場合、組織の壊死、融解をみとめたものの、RDX培地中で培養した外植体では、これらの所見を認めなかった。そこで各培養液中で14日間培養した外植体における表皮、セメント腺、神経組織、脊索、筋肉、軟骨の組織誘導率を比較検討したところ、Steinberg氏緩衝液中で培養した外植体では、筋肉、軟骨の組織誘導率の低下を認めた。その理由として細胞の壊死、融解による筋肉、軟骨組織の破壊が生じ組織誘導率に差が生じたものと考える。 2)RDX培地とSteinberg氏緩衝液中で培養した外植体のDNA量の比較検討 各培地中で5、14、30日間培養した外植体より抽出したDNA量を測定したところ、いずれの培養日数においてもRDX培地中で培養した外植体の方がSteinberg氏緩衝液中ものと比較して多くのDNAを含み、特に培養30日間の外植体においては、両者の間に約2倍の差を認めた。これらのことから外植体の長期培養には、従来から使用されているSteinberg氏緩衝液よりもRDX培養液の方が適していることが示唆された。
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