研究概要 |
本研究は,増殖再生因子添加骨代用材による新しい顎骨再建法の開発と臨床応用に向けての動物実験であり,まず血管新生作用をもつ塩基性線維芽細胞成長因子と骨形成因子を添加した生体内吸収性骨代用材であるβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)による骨欠損部の骨再生について検索するものである。 1.移植材の作製 直径1cm×高径2mmのディフュージョンチャンバー内に (1)-βTCP顆粒(40μg)を充填した移植材を作成し, (2)-(1)に骨形成因子(rhBMP-2)溶液0,10μg (1μg/μl)を添加したもの, (3)-(2)に塩基性線維芽細胞成長因子(FGF-2)溶液0μg (0μg/μl),1μg (0.1μg/μl),10μg (1μg/μl)を添加したものを作成した。 2.移植実験 上記作成骨代用材を移植材料とし,これを,ペントバルビタールナトリウム溶液(50mg/ml)腹腔内注射全身麻酔下(30mg/kg)にてラットの背部皮下に移植した。 それぞれを経時的に,X線学的,組織学的,および生化学的検索を行い,骨新生における至適条件を明らかにする予定であるが,現在実験群では,3週の時点で活発な新生骨の形成が観られている。
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