研究概要 |
本研究では、口腔癌患者において嚥下動態を知る目的でvideofluorography (VF検査)を行い術後の摂食・嚥下障害の客観的な評価を行う。また比較検討するため健常者、摂食・嚥下障害を有する脳血管障害患者、脳性麻痺患者、痴呆性老人のVF検査を行う研究を企図した。その結果得られた様々な情報をもとに、口腔癌原発巣切除を行い軟組織再建した症例では皮弁による残存組織の機能障害が判明したため舌圧センサをモニタとした摂食・嚥下障害を改善する皮弁修正術を考案した。皮弁修正術前後のVF検査に加え、術中に舌根部の動態および鼻咽喉閉鎖状態を確認するため内視鏡を用い本術式の妥当性の検討を行うことも目的とした。 口腔癌患者に対し皮弁修正術を施行する。皮弁修正術を行う患者に対し上顎にスプリントを装着し嚥下運動を行うことにより舌が口蓋へ押しつける圧力をモニタに表示する。皮弁修正術により舌の可動域が増し、口蓋への舌圧の増加をこの装置の術中のモニタリングによって確認する。同時に本研究費で申請した鼻咽喉ビデオスコープを挿入し嚥下時の喉頭蓋、軟口蓋、舌根部、顎運動の動態を記録する。鼻咽喉ビデオスコープ、舌圧センサを用いて定性的、定量的評価を術前、術中、術後に行い得られたデータを分析する。 今回,購入予定であったFTS耳鼻咽喉電子スコープシステム一式は製造会社,代理店の都合により納品が平成18年1月31日となり,その他の付属品,消耗品も2月の納品となったため現在2名の内視鏡検査を行ったのみとなっている。今後,症例数を増やし早急に内視鏡検査を実施する予定である。
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