研究課題
本研究の目的は、デクスメデトミジンを用いた鎮静法について、エントロピー^<TM>を用いて鎮静度を測定し、歯科領域における鎮静法を確立させることである。従来使われていたBISモニタは、ノイズによる影響を受けやすい欠点があったが、今回、新規購入した脳波モニタS/5コンパクトモニター・エントロピー^<TM>(Datex Ohmeda社製)はノイズの影響を受けにくいとされる。鎮静薬として、プロポフォールとデクスメデトミジンンを用いることとした。デクスメデトミジンは強い鎮静作用を持つ上に、呼吸抑制が少ないことが報告されており、最近、臨床応用できるようになった静脈麻酔薬である。男子学生また男子医局員(22〜30歳)を被験者とし、研究の趣旨、研究方法を説明し、文書によって同意を得た。方法は次のようにした。1.被験者にBP-508(既有)を装着し、呼吸循環動態(心拍数、収縮期・拡張期血圧、Spo2、呼吸数、終末呼気炭酸ガス濃度)、体温(6部位)を測定し、対照値とする。2.前額部にエントロピー^<TM>とBISセンサーを装着し、S/5コンパクトモニター・エントロピー^<TM>とBISモニタを用いて、脳波による鎮静度を両方の器械で測定する。3.デクスメデトミジンとプロポフォールの鎮静量を静脈内持続投与する。10分後に10分間歯石除去を行い、その後10分間安静状態で薬物投与し、終了とする。4.処置中、適宜、イラストをみせて、投与終了後に健忘効果を調べる。現在、予備実験が終了し、本実験を開始した。脳波計については、脳波エントロピーは反応性が優れているが、変動しやすく、過度な数値の低下を示す場合があることが分かった。薬物については、デクスメデトミジンの方が覚醒までに要する時間が長いことが分かった。体温は両薬で中枢温の低下があり、呼吸循環は両薬で抑制がみられた。鎮静度と健忘効果へ及ぼす両薬の効果の相違については、今後、検討する予定である。
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