本研究の目的は、デクスメデトミジンを用いた鎮静法について、エントロピー^<TM>を用いて鎮静度を測定し、歯科領域における鎮静法を確立させることであった。脳波の測定にはS/5コンパクトモニター・エントロピー^<TM>(Datex Ohmeda社製)を用い、比較のためにBISも用いた。脳波測定には鎮静薬として、デクスメデトミジンと、比較のためにプロポフォールを用いた。 健康成人男子12名を被験者とし、研究の趣旨、研究方法を説明し、次のように行なった。被験者にBP-508(既有)を装着し、呼吸循環動態(心拍数、収縮期・拡張期血圧、SpO2、呼吸数、終末呼気炭酸ガス濃度)した。また、鎮静度(Ramsayスコア)、健忘効果、体温(6部位)も測定した。脳波については、前額部にエントロピー^<TM>とBISセンサーを装着し、S/5コンパクトモニター・エントロピー^<TM>とBISモニタを用いて、鎮静度を両方の器械で測定した。デクスメトミジンは6μg/kg/hrを10分間、0.2μg/kg/hrを20分間投与し、プロポフォールは8mg/kg/hrを10分間、4mg/kg/hrを20分間、それぞれ静脈内持続投与した。10〜20分間に歯石除去を行なった。各パラメータを120分後まで測定した。その結果、BISと脳波エントロピー値は薬剤投与中は低下し、刺激時には上昇した。Ramsayスコアは上昇し、健忘効果が得られた。デクスメデトミジンでは心拍数が低下し、プロポフォールでは心拍数の一過性上昇と血圧の低下がみられた。脳波エントロピーはBISと同様に鎮静レベルを反映するが、変動しやすいことがわかった。デクスメデトミジンによる鎮静は被刺激性が高く、プロポフォールよりも回復が遅かった。脳波エントロピーはBISと同様に鎮静レベルを反映するが、変動しやすいことがわかった。
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