研究課題/領域番号 |
17592117
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 講師 (70267540)
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研究分担者 |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
根岸 洋一 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (50286978)
高垣 裕子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60050689)
滝澤 知子 帝京大学, 薬学部, 助手 (90260934)
瀬戸 皖一 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064367)
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キーワード | メカニカルストレス / 遺伝子導入 / 超音波刺激 / FGF / COX2 / 非ウイルスベクター / 仮骨延長 / VEGF |
研究概要 |
本年度は、昨年度にWNT関連遺伝子やFGF等の骨形成遺伝子の非ウイルスベクター合成を行い、培養骨系細胞にelectrophoration(電気的導入)遣伝子導入法により導入し、発現効率を検討したものと同じベクターを用いてマイクロバブル封入を試みた。 分担研究者の根岸らは、昨年のelectrophorationで得られた結果を基にすると、線維性仮骨への遺伝子導入効率はきわめて悪く、周囲骨膜・筋組織への骨形成遺伝子導入により遺伝子発現させることで、仮骨部分への持続的なタンパク形成と放出による効果を得られたことを利用して、マイクロバブルを筋組織・筋細胞に導入する実験系を確立させた。 当初の予測と異なり、上記の事実が判明したため、申請時の実験計画を大幅に修正し、筋細胞への導入・遺伝子発現、ならびに骨・骨芽細胞への導入効率が悪い理由を調査する実験を開始した。 培養ラット骨芽細胞への遺伝子導入は、electrophorationにおいても、導入効率は筋細胞と同等であった。従って、仮骨延長部位の遣伝子導入の成否は、細胞骨格の問題ではないことが判明した。さらに、本年度備品として購入したトロフィー社製コンピュウレイを用いて、マウス大腿骨仮骨形成部位でのマイクロバブル造影剤の動向を、透視下にて調べた結果、骨折早期でのマイクロバブル造影剤注射においても、線維性仮骨の中にはまったく取り込まれず、周囲筋組織の血管網は造影し得た。この結果より、仮骨への直接的な超音波遺伝子導入は、不可能であることが明らかになった。 さらに、仮骨へのGDF5の効果や、メカニカルストレス(特に超音波刺激)の効果解析によれば、これらの化学、機械的刺激によりVEGF(血管新生因子)の発現が増強することが確認され、仮骨延長部位において新生骨の量や長さを増すこれらのアプリケーションは、血管新生を促進させることが判明した。 したがって、仮骨内部の血管新生を促進しつつ、遺伝子導入を行うことが効率の向上に結びつくことが明らかになった。
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