研究課題/領域番号 |
17592120
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
李 憲起 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (60350831)
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研究分担者 |
松浦 隆 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (10298408)
上松 隆司 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 助教授 (40203476)
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
楢本 浩子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (30410426)
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キーワード | ワクチン / 腫瘍免疫 / OK-432 / 口腔癌 |
研究概要 |
マウスの扁平上皮癌(KLN205細胞)とOK-432を重合し、腫瘍ワクチン(OK-ワクチン)を作製した。マウスにOK-ワクチン、OK-432または生食をマウス皮下に3回免疫後、KLN205細胞を舌に接種した。腫瘍発生率と死亡率を検討するとともに免疫組織学的検索を行った。また、OK-ワクチン接種群と生食接種群(コントロール)に対して、腫瘍接種の前日と腫瘍接種後の1日目と10日目に血清、リンパ節ならびに舌組織を採取し、サイトカインの測定と免疫組織染色を行った。 その結果、コントロール群では1週間後、OK-432群では2週間後で腫瘍が100%形成(n=12)され、腫瘍接種後30日までにすべてが腫瘍死となった。一方、ワクチン接種群(n=11)では腫瘍の発生率が63.6%(n=7)におさえられ、腫瘍移植後40日の時点では57.1%(n=4)の生存率であった。OK-ワクチン群はOK-432投与群に比べて血清中インターフェロンgammaとインターロイキン2の濃度が高値を示した。マウスのリンパ節より採取したリンパ球と腫瘍細胞を48時間混合培養した後、培養上清中のサイトカイン量を測定した実験系では、OK-ワクチン群のリンパ球では、Th1サイトカインの産生が誘導されていることが明らかとなった。腫瘍接種24時間後のワクチン接種群では、腫瘍細胞周囲にCD8+とCD4+T細胞の浸潤が認められたが、コントロール群ではわずかなCD4+T細胞しかみられなかった。また、ワクチン接種群では、コントロール群に比べ、腫瘍組織周囲に多数のマクロファージ(特異抗体であるF4/80陽性)がみとめられた。 以上の結果から、マウス移植舌癌モデルにおいて、OK-432重合腫瘍ワクチンは、OK-432単独投与に比べ、強い抗腫瘍免疫応答を誘導することが明らかとなった。
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