研究課題/領域番号 |
17592120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
李 憲起 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (60350831)
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研究分担者 |
松浦 隆 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10298408)
楢本 浩子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (30410426)
上松 隆司 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教授 (40203476)
小郡 英浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (60018413)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | ワクチン / OK-432 / 口腔癌 / 腫瘍免疫 / サイトカイン |
研究概要 |
マウスの扁平上皮癌細胞株KLN205細胞とOK-432を重合し、腫瘍ワクチン(KLN205ワクチン)を作製した。マウス皮下に3回免疫後、KLN205細胞を舌に接種した。腫瘍発生率と死亡率を検討する上、腫瘍接種の前日と腫瘍接種後の1日目、10日目に血清、リンパ節ならびに舌組織など経時的に舌癌組織標本を作製し、抗腫瘍効果にっいて免疫組織学的に解析した。 その結果、対照群では腫瘍接種後1週間と二週間の間に腫瘍が100%形成(N=18)され、腫瘍接種後30日までにすべてが腫瘍死となった。一方、KLN205ワクチン群(N=18)では、腫瘍の発生率が61.1%(N=11)におさえられ、腫瘍移植後40日の時点では55.6%(N=10)の生存率であった。対照群と比較して、腫瘍発生率・死亡率ともに有意に低く上、腫瘍が生着したマウスでも腫瘍増殖が抑制された。血清中のIFN-γとIL-2、IL-10、IL-12の濃度を測定したところ、KLN205ワクチン群はIFN-γとIL-2、IL-10、IL-12の濃度が高値を示し、対照群では有意なサイトカインの誘導はみられなかった。マウスのリンパ節より採取したリンパ球と腫瘍細胞混合培養48時間後、培養上清中のサイトカインの測定した結果、KLN205ワクチン群のリンパ球では、Th1サイトカインの産生が誘導されていることが明らかとなった。また、腫瘍移植後24時間、10日目のKLN205ワクチン接種群では、対照群に比べ、腫瘍細胞の周囲にCD4+とCD8+T細胞とマクロファージの著明な浸潤が認められ、CD25(IL-2Rα)、CD69、CD122(IL-2Rβ)も陽性であった。 以上の結果から、マウス移植舌癌モデルにおいて、OK-432重合腫瘍ワクチンは、強い抗腫瘍免疫応答を誘導することが明らかとなった。
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