研究課題/領域番号 |
17592129
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
簡野 瑞誠 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40345301)
|
研究分担者 |
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10014200)
松本 芳郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (20292980)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
キーワード | 自家歯牙移植 / 低機能歯根膜 / 炎症性サイトカイン / アンキローシス / 歯根吸収 / 歯根膜の再生 |
研究概要 |
低機能歯歯根膜の構造や組織学的な変化に関する研究は数多く行われているが、サイトカインや成長因子の関与については、未だ不明なことが多い。これらの因子は、炎症反応において重要な役割を担っていることがよく知られており、低機能歯歯根膜の反応にも影響を及ぼすものと考えられる。歯根膜の低機能状態およびその回復過程について明らかにすることを目的に、interleukin-1 beta(IL-1β)とbasic fibroblast growth factor(FGF-2)に着目して検討を行った。咬合刺激の欠如により、歯根膜は廃用性の萎縮変化がみられ、IL-1βの発現増加に伴い、FGF-2の発現は低下した。一方、咬合刺激の回復により、IL-1βの発現は低下し、FGF-2の発現は再び増加した。これらのことから、IL-1βおよびFGF-2の発現は咬合刺激により制御されること、また、その動態は炎症反応におけるものとは異なることが示唆された。 歯の自家移植に関する研究では、炎症を含むさまざまな反応に先駆けて発現する一酸化窒素(NO)に着目した。移植後の歯根膜に対して咬合刺激を排除すると、歯根膜におけるNOの発現が低下するとともに廃用性の萎縮変化に続くアンキローシスが起こった。一方、咬合刺激がある場合では、NOの発現とともに歯根膜幅径の増大、細胞活性の上昇が認められた。 これらの結果から、移植歯における歯根膜の再生には、咬合力などの機械的刺激とともに、NOやIL-1β、FGF-2などのcytokine growth factorが関与していることが明らかとなった。
|